コスモス街道

23 コスモス街道

田圃のど真ん中の道路を車で走っていると 一人の「おばさん」が道路脇の歩道部分で 何かをやっているのが目に入った。 何気なしに見て通り過ぎた瞬間に 『??。何か良いことをやっていた』 と感じて50メートル位通り過ぎて 暫く車が止まった。 バックミラーで様子を窺って見ていると しきりに手を動かしている。 雑草をむしっているようだが良く判らない。兎も角降りて確かめて見ようと 車をバックさせ 降りて声を掛ける事にしました。

その「おばさん」の後ろ部分が300メートル位、明らかに私が近づいていく手前部分の 雑草の色の濃い部分とは違い 草の色が淡いのです。これはどういう事かなと 前後を見比べてゆっくりと歩いて行くと直感的に思った。
『何か良いことをやっていた』 との判断通りに やっていたのでした。

「おばさん」は車道と歩道とを縁石で分けている道路の 一段上がっていてアスファルト舗装してある歩道側部分で、その歩道のアスファルトと縁石の隙間があるかないか微妙とも思えるぐらいの数ミリ空いている部分に 生えている草を抜いていて それが濃い色をした雑草であり 全部抜かないで残している草は淡い草色で なんとそれは 小さなコスモスの苗だったのです。 残してきていた色の淡い筋状のものはコスモスだったのです。

『今日は、おばさん、せっこ(精が)いいない(出ますね)。えれえ事だに。』
『ああコンチワッ、大したこと 出来ねーだになー』
『でも大変ですね、お一人でやってるですか。他には いないですか』
『いんねや、わし一人で これ ずーとやってるだに』
『エッ、 お一人でやって いるですか。 それじゃ なお大変だ』
『だれやー 少しずつ やれば いいだに。なんとか 出来るだにな』
『でも よくだに。 どうして こんな事 やるように なったですか』
『うちは 田畑も ねーだに。うちで ジッとしても つまらねーしなー』
『でもこれだけ やる事って大変ですよ。 だれか 話したですか』
『だれ あんた、こんな事一人でも 出来るもんだにな。いいだよ』
『そうですか、でも凄いですね』
『やっておけば ここもコスモス街道って 呼ばれるように なるだいな』
『でもおばさん 普通にゃあ 出来やしねーで。こんな えれーこと』

こんな会話をしたのでしたが 兎に角この「おばさん」と云うより 80才に近い「おばあさん」 ですから お年から考えれば この炎天下に帽子は被ってはいるものの 暑さは大変なものが有るでしょう。 しかもお一人で あの距離を愚痴も言わず、他人を頼もうとせず 黙々と作業をやって来ている訳ですから頭が下がります。 

中国の故事に 『愚公 山を動かす』  と云う言葉が有りますね。一人でもやっていけば いつかは出来ていくのですね。教えられました。見事な花咲くでしょうね、楽しみにしています。

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