学習テーマ Q&A

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日帰り農村体験 ほっと ステイ「Q&A」

『ほっと ステイ』を検討される際の参考情報として、採否検討時および実施準備~当日~実施後に亘って、気になる細かい点も含めて 『ほっと ステイ』の全体像を理解する為にご利用ください。

『ほっと ステイ』の趣旨
Q1 『ほっと ステイ』の狙いは何ですか。
A 今日の子供達の問題行動は 豊かな現代を苦労して築き上げた人達との触れ合いや生活文化を伝える事を行わない事が原因だと思います。祖父母世代と交流しながら体験する中で、貴重な体験を子供世代に伝え、人作りや人との交流マナーや食の大切さを伝え、農村の存在意義を認識して貰う事です。

Q2 各地で行われている「農業体験」とは何が違うのですか。
A 単なる「農業体験」では、そこに暮らす人々の悩みや喜びを充分に伝える事ができません。 少人数で1家庭に入り、その日1日を共に過ごし働く事で 狙いとする「ふれあい」が実現できるのです。 あくまで「ありのまま」の体験であり 訪問者自身の生き方を含め、何が不自然かを学んで欲しいのです。

Q3 なぜ日帰りなのですか。
A 民泊は 部屋数が沢山あり、使用人を使う家族経営を行っている欧米では出来ますが、武石の様な農村では 受入家庭の年齢や構成、部屋の問題(1軒で2名)で 受け入れても高齢者は早寝で充分な交流の時間も取れませんし、食事や宿泊の準備片付けが大変で 受入者以外の家族が嫌がるケースが多く、戸数も集まりませんので民泊は受けません。宿泊は宿泊業の方にお願いし、日中6時間の作業や会話時間を共に過ごし親密になり、ウルルン滞在記と同様な涙の別れになる交流の方が 趣旨を達成出来ます。

Q4 半日の体験では無理ですか。
A 受入家庭との交流を重視している為、半日では 矢張り時間が短かすぎると思います。 受入家庭の負担もそれほど変わりませんので成るべく長時間で。(料金は時間に係わらず1日単位の計算となります)

Q5 受入家庭は『ほっとステイ』をビジネスとしてやっているのですか。
A 報酬を受け取っていますので ビジネスのようにも見えますが、 ほとんどの家庭は孫を迎えるような気持ちですから 営業的でない温かい対応となり、別れ際に 涙ぐむシーンがたくさん見られます。

受入れ条件
Q6 どの学校でも受け入れるのですか。・
A 単に営業目的で運営している体験農園や観光牧場・釣堀などと違い、自然な営みの「ありのまま」の農村で交流体験し、学習してもらう『ほっと ステイ』の趣旨を理解されない場合は、お断りしています。 

Q7 先着順ですか。2~3日連続して『ほっと ステイ』できますか。
A すでに実施されている学校もあり、常連校の実施日が確定後、可非の返答をします。連続も大いに歓迎します。 但し、原則1日1校しか受け入れられない為、早めに予約し、その日程を確保してください。

Q8 多人数の団体だけを受け入れるのですか。
A 総合学習の一つの在り方として検討を始め、企画し、スタートしました。小学生~大学生の団体のみにとどまらず、少人数の学校でも、少人数グループ、家族旅行などで来て頂く事も大歓迎します。
好適時期と下見

Q9 『ほっと ステイ』に良い季節はいつ頃ですか。
A 武石村は『信州・思い出の里』として、当たり前のありふれた農村で 懐かしい風景光景が日々営まれ、 どの季節でも《季節に親しみ、人に接する》素晴らしい体験をする事ができます。春は花が次々に咲き、山菜や種を蒔いて育てる季節。夏は緑陰で憩い、清流で水に親しむ季節。秋はキノコや野菜、米を収穫する喜びの季節。冬は炬燵でお餅、蕎麦打ちなど家庭料理、雪の中獣の足跡や木の芽の観察の季節です。
 「ふれあいから得られるものが目的物」ですから 時季を問わず、おいで頂ければと思います。

Q10 事前の下見は必要ですか。
A パンフレットや紹介ビデオにより、ある程度概要を理解できますが、家々の佇まいや 美味しい空気、飲めるほど綺麗な武石川の水の美しさを感じてもらうことは出来ません。 また、書類では説明しきれない事もたくさん有りますので、必ず下見に来て頂く事にしています。(所要時間=約2.5時間)

『ほっと ステイ』申込み
Q11 申込みは実施日の何日前までですか。
A 事前学習の期間を充分に確保できるよう、申し込みは『原則として』実施日の3ヶ月前までです。 
都合により、間に合わない場合は 訪問者の状況に合わせ進めます。

Q12 宿泊先は指定宿舎でなければだめですか。
A パンフレットに記載した『5つの宿舎』と勉強会を重ね、農村活性化の共通認識を理念に 行動しようと約し、『協賛』して頂き『ほっと ステイ』事業を実施して来ています。 協賛宿舎利用の方を優先し、空きが有れば 他施設のお客様でもお受けします。

Q13 実施日の予約決定方法は。
A 常連校様を優先して予約受付し、空きがある場合は 申し込み先着順に 実施日の予約を受けます。
但し、協賛施設様に申込日の空きを確認後、予約受付を決定していきます。

班編成
Q14 なぜ6人のグループがいいのですか。
A 多人数が揃っての場合は 交流から外れ、加われない子が見受けられます。 又『家庭』で交流する場合、 受入家庭の人達と親密な触れ合い=これが目的=をする為には 家庭側も目が届き、部屋の広さもあり、6人にして下さい。 しかも会話や作業風景を見ていると男女3人が一番良いです。

Q15 班編成の方法は決められていますか。
A 学校側にお任せしています。 仲良しグループも方法ですが、こういう機会に新しい友達を作るのも貴重な体験ではないでしょうか。 班の編制が終わりましたら 受入をする中で運営管理上、把握が出来ないと困りますので 受け入れ家庭一覧表の右側の欄に記入の上、送り返して下さい。

事前学習
Q16 事前学習は必要ですか。
A 単なる収穫の農業体験ではなく、『農村体験』として『自然・人・食』を 交流から学ぶ事が大切な狙いです。この為には事前学習が必要で、『ほっと ステイ』が充実し忘れられない感動が得られます。

Q17 事前学習のテキストはありますか。
A 必修テーマと選択学習テーマに有ります。 必修テーマについては 企画書等を参考にして下さい。
  選択学習テーマについては、『学習テーマ詳細』を参考に 指導して頂き、教科書・図書館資料・インターネットなどで各班、各自で学習して下さい。 村固有の情報・データが必要な場合は、『信州せいしゅん村』へ問い合わせ下さい。学習の進行については 学校側にお任せします。

村や受入家庭
Q18 武石はどんな村ですか。
A 観光地として有名な美ヶ原高原の3/4は武石分です。美ヶ原の扇状地に開け、標高500m~1000mの間に集落があり、1400戸、4300人が暮らしている村です。 しかし、おとぎ話に出てくるような ひなびた谷合に茅葺き屋根の家があり、細々と暮らしている所では有りません。 新しい家屋も多く、日本の農村=田舎=としての 平均的な農村の姿をしている美しい村です。

Q19 受入家庭はどんな家庭ですか。
A 自家消費用や生き甲斐の為、農作業をしているお年寄りが多くいますが 二世代、三世代同居、夫婦だけ、独居など家族構成も様々です。 武石村に生まれ育った人、都会から生き甲斐を求めて来た若夫婦、定年移住で悠々自適の人など、生い立ちも暮らし方も様々です。勿論専業農家も有ります。

Q20 畜産農家は有りますか。
A この村には農家に該当する家が835戸、そのうち専業の畜産農家が12軒有りますが、 2004年1月、『ほっとステイ』受入家庭登録時点では98家庭中、畜産専業農家は1軒だけです。

Q21 変わった暮らし方の人はいますか。
A 戦争体験者、都会から来て竹やぶを開墾し重機での土地造成、掘り出した石を積み上げ、ネパール風住居造りをすべて自力でやった人、味噌を造りたいと来た人等、個性豊かな暮らしがたくさん有ります。

Q22 直前に受入家庭が変更になることがありますか。
A ありのままの生活の中で受け入れる為、受入者の病気、葬式、村の行事など、どうしても避けられない事態の為、直前に変更になることがあります。『せいしゅん村』では積極的に受入参加をして頂いている中で、都合の悪くなった家庭には理由を問わない事になっており、受け入れ組織として責任をもって 替わりの家庭を手配しています。直前で変わられるのが困る学校様は 申し込みをしないで下さい。

体験内容
Q23 体験内容は統一されていますか。
A どの家庭に行くかによって 体験内容=提供サービス内容が異なるという点では 統一されていません。但し、交流=皆さんを温かく迎え入れ、ありのままの農村を提供する点では共通であり 統一されています。 お茶菓子や漬物、味噌汁の中身や仕事振りなども各家庭で違いますし、違い=不揃いが有るのが自然であり、普通の姿です。 各家庭によっての暮らしの違いを知って、その違いを帰校して話し合い、学び合って欲しいと思います。 食文化体験コースもメニューは各家庭により異なります。

Q24 『ほっとステイ』では体験内容を選べますか。
A 『ほっとステイ』では265項目に及ぶ学習テーマを設定しています。訪問者は受入家庭の暮らし中で発生する提示された学習テーマの中から選び学ぶ事になります。 他の「田舎体験」のように営業用に準備された、田植え、稲刈り、りんご収穫、わらじ作りなど 観光農園・牧場体験、レジャー体験、スポーツ体験、図工体験の様な 「ヤラセ体験」の中から好きなメニューを選ぶ様なやり方ではありません。 但し、食文化体験コースとして 半日は各家庭で調理体験を行うコースを設定しています。
このコースを選んでいただければ、必ず調理体験をすることは出来ます。

Q25 雨の日は予定した事が出来ず、『ほっと ステイ』が出来なくなりませんか。
A 雨の日に田畑で作業することは通常ありませんので、「農休み」となります。 予定と変わるかもしれませんが お年よりの話しを聞くには逆に絶好の機会となり、より充実した『ほっと ステイ』になるでしょう。 学習テーマにも多く取り上げている通り、人生経験の豊富なお年寄りから学べることはたくさん有るのです。

Q26 長野ならではのモノが体験出来るのですか。
A 山、川、田、畑は全国どこにでも有りますし、単に農業体験をしたいなら どこの県でも出来ますので 長野まで来る事もないと思います。 全員で乳絞りをやりたいなら観光牧場、釣りをやりたいなら釣堀がいいでしょう。しかし『ほっと ステイ』の考え方、村の環境、人、心など この事業そのものが どこでも出来る訳でなく、自然な姿を学ぶ、長野県の武石ならではの『農村体験』と理解しています。

Q27 必ず農作業を体験が出来ますか。
A 農作業をしていない受入家庭もあり、必ず出来る訳ではありません。雨のため急遽予定変更で農作業を出来なくなる事も当然ありますが 農作業を行う事だけが目的では有りません。『ほっとステイ』の狙いはあくまでも「ありのままの農村生活体験」で、交流を通して祖父母世代の貴重な体験を孫世代が聞く事で人との交流マナーや食の大切さを実感して頂けます。この点を充分に理解・認識して下さい。

Q28 その日の受入家庭の行動は事前に把握が出来ますか。
A 受入家庭は その時季に予想される内容を事前に示し、学習テーマに触れて頂くように努力しています。 しかし農作業は天候に左右されることも多く、これを事前に把握する事は実際不可能で、求めたいと言われれば受入出来ません。『ほっとステイ』の「交流から得られるものを目的物」とする趣旨からしても 事前に細かな作業内容を把握する必要はないと思います。畑仕事とは畑仕事をする事なのです。
本部設置と昼食の食事

Q29 本部はどこに設置しますか。
A 村の中央公民館を借り、そこに設置します。ここで12時30分から食事をする事になります。

Q30 昼食の用意は。
A 学校側で用意してください。先生も子供達も昼食を持参していただきます。なお、朝出発し、当日『ほっとステイに』お越しに成られる場合は 昼食は手配して来て、必ず駐車場にてお渡し下さい。  

危険なことは
Q31 実施の際、危険な場所はありませんか。
A 道路は村を経由する通過車両が少ない為 事故の心配も少なく、 地形も緩やかな傾斜地で谷底に転げ落ちる危険な場所も無く、武石川の水量も少なく水深も浅く危険な箇所はありませんが油断禁物です。

Q32 農業機械操作などの危険はありませんか。
A 皆さんの安全を守るため、軽トラックの荷台に人を乗せて移動しない、農業機動力械の操作はさせないなどの事項を受入家庭に遵守してもらうよう依頼しています。その他、『入村心得』に有るように 自分で危険だと思う事はしないよう 自分の身の安全は自分で守る事を指導して下さい。

Q33 危険な動物はいませんか。
A 野生動物の熊、猪、鹿、蛇などに接した時には 慌てず、近づかないで、退散するまで待って下さい。
特にマムシは危険で田畑や草むらにいる時が有り(50年で1度の確率)、絶対に近づかないで下さい。
事故などの対応

Q34 体調を崩した場合の対応は。
A 体調を崩した人が何人かあり 受入家庭や本部の休憩室で休んでもらいました。  緊急の場合の医療機関として 本部より徒歩1分に武石村診療所(本部付近0268-85-3308、日・休診)、救急車5分で依田窪病院(0268-68-2036、日・休診)、救急車6分で丸子中央総合病院(車0268-42-1111、日・休診)があります。緊急連絡先として 携帯090-1605-3238(せいしゅん村の小林)へも 連絡下さい。

Q35 事故の時の保険は。
A 各学校で保険に加入、訪問される事が条件で受け入れします。当方も傷害保険(通院費だけ)加入。

服装
Q36 当日の服装はどうすればいいですか。
A 農作業する受入家庭が多いため、作業できる服装が必要です。 長ズボン、長靴とスニーカー、軍手、帽子、タオル、特に下着を含めた着替え(川遊びで濡れる) は 全員忘れる事なく用意して下さい。 
食文化体験コースの場合は、この他にエプロンが必要です。
着替えは持っては来たが 宿舎やバスの中に置き忘れるケースも見受けられますので。

バスへの乗り込み・下車案内・終了時の乗車
Q37 宿舎からバスに乗るとき、どの班と乗るのですか。
A バスの台数、当日の受入家庭の所在地を基に、『せいしゅん村』からは バスごとの乗車組み合わせ、乗り組み法、運行ルート、運行時刻を定め、事前に連絡しています。 

Q38 どの家が受入家庭か分かるのですか。
A 各バスには必ず『せいしゅん村』のスタッフがガイドとして乗り込み、案内します。『ほっと ステイ』終了時には、同じスタッフが乗り込み、同じコースで家庭から生徒をピックアップしていきます。

Q39 終了時のバスの時刻を生徒は知らされていますか。
A 朝、各家庭へ生徒を案内した時に、受入家庭の人に回収時刻を書いて渡しています。聞いて下さい。
先生の巡回と待機

Q40 先生はどのように巡回するのですか。
A 原則として各集落の一番上の受入家庭から順に、巡回して下さい。 一部を除いて歩いて回れる距離ではありません。『せいしゅん村』からは巡回車両を用意し、巡回の手助けを行っています。

Q41 受入家庭がどこに有るのか判るのですか。
A 事前に受入家庭を明示した武石地区全体の住宅地図をお渡しします。 印の付いた家庭の登録番号により、どの家か判るようになっています。
Q42 家から離れた田畑で農作業をする家庭の場合は、どうやって作業場所を探すのですか。

A その様な場合は、玄関に行き先が分かるように一定書式の「案内図」で表示するようになっています。
Q43 本部待機で気を付ける事は。

A 借りてある部屋だけをご使用下さい。外に出てロビー・ホールで仮眠している事が見受けられますが 住民からひんしゅくを買っています。公共の場所ですから 絶対に止めて下さい。

礼状について
Q44 礼状は出さなくていいですか。
A 礼儀作法の事例として 各学校、班、個人で判断して下さい、お任せします。 実際には多くの生徒さんから 受入家庭にお礼状や色紙、壁新聞などが届いています。 
お礼状に対する返信については 受入家庭の負担が大きくなる事から『せいしゅん村』では お約束しません。 受入家庭には独自の判断をして欲しいとお任せしています。

反響と実績
Q45 体験した生徒の反響はどうですか。
A 実施後アンケートをとった学校の調査結果では、93%以上の生徒から好評を得たというような、大変高い評価をいただいています。『ほっと ステイ』の趣旨が理解されているものと喜んでいます。

Q46 実績はどうですか。
A 初年度02年は8校1,577名、03年は16校2,401名、04年度は24校3,452人、05年は34校5,959人、06年は39校7,468人、07年は39校7,574人の訪問があり、協会全体では10,151人です。