懐かしの村《Dear Village》構想

信州せいしゅん村 企画書        2008年9月18日     
懐かしの村:Dear Village構想  

1.趣 旨

【生きるための食】
人間の命をつなぐ「食」、食を作りだす「農業」、農業が営まれる「農村」。農村の存在は私達人間にとっては掛け替えのない崇高な生命の営みを永続させてくれるもので有り、私達は農村のその健全なる存在を願うところで有ります。
しかし今、地球上ではこれからの「食・農業・農村」に対して、地球温暖化傾向に起因すると云われる環境問題や人類が引き起こした要因により危機的状況が予測され、次代を生きる人々に様々な問題を生み出しております。

【農村の現状】
特に日本の農村の中山間地地域と云われる地域は、農産物を市場出荷しても量的や質的な面で市場では評価されない為に農業生産が衰えてしまい、農業収入が得られないために専業農家はほとんどいなくなり、また集約営農でも農業収入だけでは生活が成り立たない産業と思われてしまい、新規就農者が現れない状態が続いて来ております。
このため農業者の高齢化に伴う離農と若年層の農業収入に頼らない生活が恒常化し、悪循環の負の連鎖が起こり生産力の減退に歯止めが効かず、結果的には農業の崩壊や農村の消滅の危機すら起こり始めております。

【10年後の農村は】
10年経ったら、今外に出て働いている人10人が何人働いていますか。10人から減った分に何人加わって働いていますか。10を耕作していたモノが幾つ耕作していますか。替わって担ってくれる人がどの位耕作してくれますか。この家に住んで呉れる人は。
従来、唯単に農産物の出荷だけを求められ実践してきた農村の中で、この様な厳しい状況下が続き著しくこれらが顕在化してきている現在、私達のような中山間地農村と云われる地域では、更に悪くこのままの状態が10年続けば農業を営むことで居住し成り立っていた農村集落も、農業を行わないことによりおのずと存在価値がなくなり、居住者がいなくなり農業は廃れ周辺農地は原野化が避けられません。

【サービス提供型農村=日本型(水田)農業+スイス型(牧畜)農業の融合農村】
私達はこの農業生産減少や農村集落崩壊の危機的状況から抜け出す手段の一つとして、「サービス提供型農村」に特化し、都市生活者に田舎の楽しさに触れて癒しを覚える村を提供し『お出で頂くこと』で農村の活力を取り戻そうと思います。この手段として、原野化し始めている林や農地をスイス型牧畜農業として生まれ変わらせ、そこに従前の日本型水田農村を再生維持して、二つを融合させた新たな癒し空間を創造し、各種サービスを提供し、来訪者が農村での癒しを求めて訪れたくなるような農村にすることです。

【懐かしの村:Dear Village】
私達の『うつくしの里』は、昔ながらの農村風景を色濃く残している集落で支え合う暮らしが息づいており、声が掛けやすい手作業による農業がまだまだ営まれ、ここで山林と荒廃農地を復活させて里山の裾野で羊類の家畜を飼い田畑を耕し、集落の古民家を再生したり川等の自然環境の整備を行い、『ありのままの農村の楽しさを実感して貰える昔懐かしい集落』を作り、この風景を見に来たり体験しに来たりして頂くことで「サービス提供型農村」となる、まさしく『懐かしの村:Dear Village』を作りたいのです。

【本物の癒し空間】
このDear Villageは、身近な野山や川での本物の「自然と人とのふれあい」、常に田畑や集落で小規模だからこそ出来る顔の見える生産者・加工者で信頼を高めた安全安心が当たり前の生産現場に立ち入って触れられるこだわりの「食と人とのふれあい」、それらの交流と体験を通して人間の温かさに気付く「人と人とのふれあい」。ふれあいが人を成長させると云います。これらが生む『田舎の楽しみにふれた感動の記憶がいつまでも残る農村』に生まれ変わって、「癒しを覚える田舎の楽しみを愉しみ」に来て頂きたいのです。

【中山間地農村・再開発事業=農商工連携】
これを行うには『中山間地農村・再開発事業』として、従来の地域振興策として講じられてきた各産業が個々で取り組む活性化への取り組みでなく、その地域全てを使う『トータル的な事業』として行なわなくてはならないものと考えます。これには農も商も工も連携してより鮮明に「サービス提供型農村」として意識して、「made in jimoto」のこだわりの農産物を育て加工して食して貰うトータル提供体制を組織化し、更に都市側からの訪問者を迎い入れる体制も整えなくてはいけません。地域は計画的に「受入地環境整備」と「持ち帰り提供」を行い、人々に農村の楽しさに触れるシーンを数多く作ることです。

【国際青少年交流農村:The farm village for International Youth Exchange】
世界各国のそれぞれの農村では、その国の伝統・文化を色濃く残し、それを維持しながら人々は暮らしております。私達は世界各国の農村文化の違いに触れて学び、自国で活かすことを目的に国際交流として受け入れし、各国の農村農業の相互理解を促し、情報を収集共有し、農村活性化活動及び農業技術研究開発に関して、それを活用して農村の存在価値や存在意義を認め合う活動も繰り広げて行くことも大切だと考え、『国際青少年交流農村』の設置を行います。

【青少年とともに農に携わる】
この事業では次代の世界中の青少年に対し、『国際青少年交流農村:宣言』を行い、広く内外を問わず世界中から次世代を担う若者世代や農村に関心のある人々を招き入れ、第一次産業の農林畜産業、加工の第二次産業、販売の第三次産業に従事し、あるいは見て・触れて・交流して、危機的状況の農村の存在価値や存在意義を真剣に考える場を作り、その学習効果として世界中の農村を健全に維持・継続させたいと願っています。
私達はこの『国際青少年交流農村』が世界中に生まれ、活用される事も切望します。

2.理念
 現状の農村農業に対して危機感を持って臨み、食生産の重要性と新たな農村の在り方を提唱し、次世代に継続できる農村農業を構築し、食の生産性に寄与する。

3.目的
趣旨、理念に賛同し、明日の農村・農業に思いを寄せて積極的に農村活性化を模索する人々や世界中の青少年が一緒になって、農業再生・農村振興を目指し、地域を巻き込む活動を展開し、長野県中、日本中、世界中に発信地となるように活動の輪を広げる。

4.運営方針
(1)日本の農村文化の総合力を活かすビジネスと高付加価値の商品の製造を通じて、集落が自立できる環境を作り出し、これからの農村の有り様の一つを示す。
(2)参加者・来訪者一人ひとりが明確な問題意識や交流テーマを持って参加することを前提として運営する。
(3)交流農村事業は、単なる情緒的交流にとどまらず、明日の農村・農業を考える人々を対象に行い、各参加者等は思考し、意見、提言等を表現する義務を負う。

5.求める成果
(1)中山間地農村の再開発事業として、トータル的な農村の活性化を図る。
(2)遊休荒廃農地の解消策として日本型農業とスイス型農業の融合を図る。里山の整備と山裾での羊の放牧により獣害を防ぎ、集落の荒廃農地を復活させ、自然環境重視の営農により安全な農林畜産物を生産する。
(3)地域の地形や気候状況から生み出されるモノを「良し」とした商品開発を行う。
(4)地球環境に優しい人間の生き方を解析し、暮らし方や商品化に反映させる。
(5)家内工業的農産物や加工品と工業化農産品との違いを伝え、安全かつ新鮮な農林畜産物の現地加工にて、既存の工場では得られないおいしい食品を作り、都市の消費者に食の安心を提供し、販売促進を図る。
(6)衰退傾向の農村の各産業の潜在能力を再確認し、お互いに寄与し合う。
(7)農村文化の価値観を高め、ありのままの農村の素晴らしさの商品化をする。
(8)従来型観光と農村農業の組み合わせによる観光客誘致及びインバウンドへの活用。
(9)農村に居住していても国際貢献や国際感覚をやしなえる事を知らしめる。
(10)海外からの『農業経営研修生』を受け入れる制度と組織化を構築し、国内外の若者や成人の清旬農業体験や荒廃農地再生事業の体験を通じて、集落が自立するとともに、日本の農村のみならず世界の農村が栄える礎を作る。

6.組織
(1)農業生産法人を立ち上げ、責任を明確にして取り組む。
(2)法人として認定農業者の認定を受け、様々な具体策に取り組む。
(3)農商工の積極的な結びつきを働きかけ、地域一丸の取り組みにする。

7.労働力の確保
(1)意欲のある若者を優先的に携わって貰う。
(2)地域内で最近定年退職した人に帰農して貰う。
(3)地域内の健在でいる高齢者に生産及び加工、及び研修に携わって貰う。
(4)海外からの農業経営研修生に担って貰う。

8. 行おうとする事業
サービス提供型農村=懐かしの村:Dear Village
  =農村の楽しさ・癒し空間構築。
日本型農業(水田) +スイス型農業(牧場)の融合
  =放牧・水田・畑・自然環境・農村生活の提供

≪農林業再生≫
受入地環境整備 林 1 野生獣被害の防御の為、餌場としての防御帯の設置
受入地環境整備 林 2 森林整備を上記の防御帯場所と交互に行い、森林の循環を図る。
受入地環境整備 林 3 里山の麓で羊などを放牧して獣を寄せ付けない。
受入地環境整備 林 4 広葉樹(餌の提供)の植林
受入地環境整備 林 5 森林管理道路の整備を行い、労力の軽減化を図る
受入地環境整備 林 6 除間伐木材の加工センターを作り、利活用促進する。
受入地環境整備 農 7 荒廃農地を除伐伐根・復活し、普通畑や果樹園、牧草地にする
受入地環境整備 農 8 傾斜農地を整地して、トラクター作業の効率化を図る
受入地環境整備 畜産 9 傾斜の強い所は放牧地として、羊を飼い牧場とする
受入地環境整備 畜産 10 家畜や小動物を飼育し、アニマルセラピーを行う。
受入地環境整備 農 11 気候風土を生かした農産物の安全栽培法の確立
受入地環境整備 農 12 環境に優しい農業の体系化=脱石油工業製品
受入地環境整備 青年 13 若者の荒廃農地再生事業への新規就農支援
受入地環境整備 後継 14 国内外の若者の農業「経営研修」制度の確立
受入地環境整備 後継 15 農業後継者を海外から招き入れる
持ち帰り提供 青年 16 若者の荒廃農地再生事業へ意見反映機会の開設
持ち帰り提供 農 17 受託農産物の生産及び加工
持ち帰り提供 加工 18 関係国内外の品種・栽培法・加工法の調査研究
持ち帰り提供 加工 19 桑園整備と葉・蚕・絹の活用研究
持ち帰り提供 加工 20 気候風土を生かしたこだわりの農産物&加工品→多品種少量生産
持ち帰り提供 加工 21 寒晒しによる農産物の製品化及び加工販売
  ●蕎麦・アルコール飲料・豆加工品・小麦加工品・雑穀加工品 
  ●特保食品の開発
持ち帰り提供 加工 22 こだわり農産物加工製造技術の確立(家内工業的)
  ●自給自足的→商品化→商業ベース→ブランドに乗せる
持ち帰り提供 加工 23 牧畜農産物の加工により、付加価値を高める
持ち帰り提供 加工 24 最新冷凍技術を応用した農産品の通年販売の開拓
持ち帰り提供 販売 25 特定少数への販売先の確立
持ち帰り提供 販売 26 新聞の発行・自主パンフレットの印刷
持ち帰り提供 販売 27 懐かしの村案内の印刷発行及び発送
持ち帰り提供 販売 28 懐かしの村友の会及び食の安心の会の組織化 

≪サ ー ビ ス 構 築≫
受入地環境整備 休憩 1 訪問者用の喫茶・トイレ
受入地環境整備 家 2 集落内の伝統家屋整備と活用
受入地環境整備 家 3 水車小屋の移築・操業
受入地環境整備 水路 4 江戸前の石積みの排水路を蛍水路にする。
  ●今年カワニナが発生し、蛍が舞った。
受入地環境整備 交通 5 集落への交通手段の整備
受入地環境整備 親村 6 親しみの持てる地域への整備(庭木・廃材放置・廃機械類放置)
受入地環境整備 親道 7 集落の街路整備1幹線 2裏道 3畑道 4山道の4道の確立
受入地環境整備 親水 8 河川を整備して川遊びが親しめるようにする
受入地環境整備 親林 9 林の整備をして自然観察が親しめるようにする
受入地環境整備 親山 10 山の整備をして山菜採集が親しめるようにする
受入地環境整備 親耕 11 田畑の整備をして野菜果樹が親しめるようにする
受入地環境整備 人 12 地域内の連携の構築=人・モノ・心
  ●サービス提供型農村への意識統一
持ち帰り提供 郷土食 13  ゲストハウスを造り、交流&郷土食の提供。
持ち帰り提供 生活 14 ほっとステイの確立=サービス提供型農村
ありのままの農村生活で触れ合う価値の確立 
持ち帰り提供 環境 15 観郷ウォークの確立=サービス提供型農村
  ●農村を歩きながら、地球環境・食・健康を学ぶ
持ち帰り提供 工芸 16 従事者の勧誘と作業施設や休憩所施設の設置
受入地整備 産業 17 農村地域での伝統産業体験の場の提供と組織化
持ち帰り提供 文化 18 近隣の農村文化体験カレンダー・マップ作成 
持ち帰り提供 文化 19 農村文化の学習と継承。芸術=伝統芸能・伝承技術・文化活動
受入地環境整備 安住 20 永住働き手の借地住宅の準備
持ち帰り提供 周辺 21 農村地域の余暇・体験の場の提供
  ●温泉=広域(UFO:湯訪チケット)への誘導
  ●高原=リゾート体験への誘導 
受入地環境整備 旅行 22 懐かしの村:Dear Villageの宣伝広報活動
受入地環境整備 旅行 23 懐かしの村:Dear Villageのツアー募集
受入地環境整備 旅行 24 懐かしの村:Dear Villageの宿泊客への案内

≪国際青少年交流農村≫ 
受入地環境整備 施設 1 センター設置=『えんでや:Endear House』
  ●セミナーハウスとして利用
  ●交流施設として利用 
  ●会議室として利用
  ●学習室として利用
  ●簡易宿泊施設として利用
受入地環境整備 学習 2 日本の農村に学ぶ・調査研究への協力体制整備
  ●明日の農村・農業の在り方
  ●農村活性化について検証と提言
受入地環境整備 言葉 3 通訳支援の確立
受入地環境整備 誘客 4 インバウンド事業での誘客を図る広報
持ち帰り提供 交流 5 学校間交流の受け入れ校の組織化
持ち帰り提供 交流 6 日帰り農村体験「ほっとステイ」の受入態勢増強
  ●海外向けパンフの作成
持ち帰り提供 学習 7 農村散策「観郷ウォーク」の受入態勢増強
  ●海外向けパンフの作成
受入地環境整備 発展 8 国際青少年交流農村の主催地展開
  ●立科・青木・真田・長和・王滝

≪産学官連携≫
持ち帰り提供 信大 1 農村セラピーの確立→長野県→日本→世界へ
 ●信州大学感性工学科:上條先生 
持ち帰り提供 長大 2 森林整備の実証 環境ツーリズム学部:佐藤先生
持ち帰り提供 信大 3 寒さらし効果による特定医療患者向けの病院食の開拓
持ち帰り提供 ?大 4 ソーラーエネルギーによる畑管理ロボット技術の開発
持ち帰り提供 ?大 5 真空低温釜技術及び電子振動による食品加工の研究
受入地環境整備 ?大 6 脱石油による農業技術及び農業機械の開発
受入地環境整備 ?大 7 森林資源を使った冬季暖房農法の研究
持ち帰り提供 官民 8 先進地視察ノ受け入れ(サービス提供型農村)
受入地環境整備 官民 9 地域の気候風土が生み出す技術の調査研修

信州せいしゅん村
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